私の人生でいつか果たすべき目標だった『MOTHER』(LUNA SEAの5thシングル曲)のPVロケ地を巡りに、アイルランドへ行ってきました!
2000年のLUNA SEA終幕時点で私は実家住まいの学生であり、終幕ライブに行けなかったことは後の人格形成に影響を及ぼすほど悔しい体験でした。「どうせすぐ飽きるから」とライブに行かせなかった両親、そして最終ライブ日程をわざわざド年末に組んだLUNA SEAのことも当時はすこ〜し憎らしく思ったものですが、まぁ今となっては、あの時の悔しさがなければ私は今回アイルランドまで来なかった気がします。
そんな感じでREBOOT後はあのころの分まで、果たせなかったSLAVE活動をやっているわけでして、その集大成がアイルランド聖地巡りかなと思います。『MOTHER』ロケ地に関しては公式にはほとんどアナウンスされておらず、計画に際しては過去に聖地巡りをされた先輩SLAVEさん方のブログ等を参考にさせて頂きました。数が多いためここで紹介はしませんが、皆様本当にありがとうございました。
私の今回の体験も、今後同じルートを巡る方の参考になればと思いここに記しておきます。これを読まれるSLAVEさんたちの轍となれたら幸いにございます。
・第2の都市ゴールウェイへ
さてアイルランドへは首都ダブリンから上陸される方が多いかと思いますが、今回巡った3つの聖地(モハーの断崖、バレン高原、クイン修道院)はどれも第2の都市ゴールウェイが拠点となります。滞在時間が限られている場合、可能ならゴールウェイ空港行きのチケットを購入したほうが手っ取り早いです。
とは言っても2都市は2〜3時間で往来可能。滞在日数が3日以上ある場合は気にせずとも大丈夫です。今回巡った3カ所の聖地は、正直どれもアクセスがよいとは言えない場所に位置しています。特にバレン高原とクイン修道院は、公共交通機関を利用するとかなり時間がかかります。
よって個人的には聖地巡りを旅のメインとする場合、可能であればレンタカーを利用したほうがいいと感じました。
アイルランドという国はいたるところに石垣や石畳が広がっており、朽ちた古城や教会も多数。聖地以外にもMOTHERっぽい風景がたくさん見られるので、道中チョコチョコと停車しながら進むと楽しいです。アイルランドは人口密度が低くて道路も綺麗。現地ドライバーのマナーも悪くありません。運転するにはかなりイージーな国です。
公共交通機関を利用する場合、基本的には “1日あたり1聖地” (ゴールウェイを拠点とした場合)と思っておいてください。物理的には2カ所可能かもしれないですが、どちらか片方が夜になってしまいそうです。また車を利用する場合も、1日で3カ所全て巡るのはかなり駆け足(道に迷わなかったとしても)です。できれば丸2日欲しいところ。
・1日目・モハーの断崖(The Cliffs of Moher)
初日はアイルランド観光のメッカ・モハーの断崖です。SUGIZOさんがバイオリン奏でてたあそこです。ゴールウェイから車で2時間弱。ダブリンからも直行バスが出てます。
広い観光駐車場。
ふもとには土産屋が並んでいます。Cliffs of Moherにちなんで「Gifts of Moher」っていう店があって笑いました。
モハーミュージックショップはクローズド。『MOTHER』売ってたり……は、しませんよね。
緩やかな坂道を登ると……
速攻デタァァァァァァアアアアアアアア!!!!!!!!!!
写真パッシャァァァーーーー!!!!!!!
断崖は長く続いているので最初「右? 左? どっち!?」となりますが、撮影ポイントは “坂を突き当たってすぐ右手” です。PVと照らし合わせてご確認ください。
PVは水が崖を逆流しているような映像だったため、てっきり滝っぽい感じのところかと思っていたら全然そんなことはありません。こっちが通常。あれは奇跡の映像、ってことみたいです。やるな。
断崖にはず〜っと柵が続いていて、ギリギリまでは近づけないようになってます。
転落事故が相次いだのだそうで、「柵を超えるな」との注意書きが多数。みなさんルールは守りましょうね。
それはそうと、先ほどからPVと同じ景色が見える場所・通称 “SUGIZOポイント” を探しているんですけど……
どうしても見つからない!
PVと景色とを見比べながら断崖を何往復もした結果、SUGIZOポイントは「柵を超えた向こう側にある平地」しかないという結論に至りました。
あんな怖い場所に立っておられたとは……さすがであります。願わくば完全に同じ場所でSUGIZOポーズをキメたかったのですが、永遠に叶わぬ夢となりました。いいんです。私めごときがSUGIZOさんと同じ場所に立てようはずもないのですから。
帰りにGifts of Moherでキャップを購入! 15ユーロだったかな?
・2日目・バレン高原
さて、今回の3カ所のうち、最も難所といえるのが『バレン高原』です。メンバー5人が寒そうに歩いたりRYUICHIさんが岩に収まったりしたあそこです。ゴールウェイからは車で1時間強とさほど遠くないのですが、なんと言っても範囲が広すぎる!!!
下調べの段階で『バレン高原』という名称は判明していたので、私はなんとなくカーナビの候補で最初に出てきた『バレン国立公園』へ向かいました。そこは見渡す限りの石畳。たしかにすごくMOTHERっぽい。
が…………なんか違う!
慌ててPVを見返したところ……この映像はどう見ても海沿いで撮影されているじゃあないですか。過去に100万回は視聴したであろう『MOTHER』のPV。しかし私には結局のところ、背景の海さえ見えないままだったのです。こんな奴に新しい時代など見えようはずもありません。
実はバレン高原とひとくちに言っても非常に範囲が広く、バレン国立公園からバレンの海までは車で40分もかかるのでした。同行してくれた友人(非SLAVE)に泣いて詫び、海方面へ車を走らせます。この時点で時刻は18時。奇跡よ今、僕を救えください……
…………っ間に合ったぁぁぁぁぁあああああ!!!!!!!
残念ながらこれは「PVで使用された場所を完全に特定した」というわけではなく、「このへんのエリアのどこか」という地点のひとつに到達したに過ぎません。周辺の海沿いは似たような石畳が延々と続き、ジャストな地点を特定するにはかなり時間がかかりそう。
しかしPVを細かく検証し、ここら一帯の海岸線を練り歩けば……いつかは発見することが可能な気もします。ヒントは “背景の山の形” だと思うのですが、この日は残念ながら時間切れ。次に来る時はバレンに1週間ほど滞在しなくては……!
目安としてはマップ上の先が尖った地点。『BLACK HEAD』という半島を目指せば今回私が歩いた周辺へたどり着けます。参考までに。
しかし暫定ではあるものの、これはまさにPVで見た景色そのもの。
地球上にこんな場所があることが信じられない。
ただただ壮大で美しい。
手頃なくぼみに収まってみたい欲を抑えることなどできませんでした。
日暮れまでギリギリで焦りましたが、この一帯が最も美しく映る時間帯だった気もするので結果オーライ。
これまでに見た景色の中で一番壮大かもしれない。
日が沈んでも美しい。
ちなみに……アイルランドはどこもそうなんですが、ここ一帯にも野良牛がたくさん。時おり「ンモ〜」と鳴き声が聞こえてきます。PV撮影の際は牛が映り込まないようにスタッフさんが細心の注意を払われたのでしょうか? 野良牛写り込みNGテイクとかあったら和むなぁ〜。
・3日目・クイン修道院(Quin abbey)
最後は3地点中で最も郊外に位置するクイン修道院。RYUICHIさんがベッドで震えたり雪に降られたりしたアレです。ゴールウェイから車で1時間。クイン行きのバスは出ていないようなので、公共交通機関を利用の方はタクシーで。
ほんっと〜にLUNA SEA来たのぉ〜? と疑いそうになるくらい小さな田舎町。
向かって左側がクイン修道院。
とても雰囲気がおありのマリア様。
立ち入り禁止っぽい注意書きに一瞬焦りましたが、「犬の放し飼い禁止」だったみたいです。
修道院へ続く道のり。緊張でメッチャ早足になる。
うおぉ……なんか……スゲェな!!!!
修道院と聞いて私がイメージするのは「聖職者が共同生活をするところ」みたいなボンヤリしたものですが、現在のクイン修道院は “巨大な集合墓地” といった感じです。
あっちにも墓。
こっちにも墓。
そればかりか、修道院内も墓だらけ。
私は夢中すぎて何も感じなかったのですが、同行した友人は5分ほどで「気分が悪くなった」と外へ出てしまいました。
修道院内は暗く、吹き抜けとは思えないほどジメジメとしています。言われてみると少し怖くなってきたカモ……!
訪問する際は日暮れ前推奨。
さて……いくつもの小部屋が連なるクイン修道院ですが、さりとて道に迷うほど広いというわけではありません。
にも関わらず……
いくら練り歩いても……
「例の小部屋」が見当たらない……?
ここは少し雰囲気が近いけど、違う。
なぜだ?
迷宮的なアレに迷い込んでしまったのだろうか?
この中庭……ってことはないわよね。
え〜!? なんでなんで!? ひょっとして場所、間違えた?
あっ、修道院を出て入り口と逆向きに進むと別の建物が!
……雰囲気はあるけど全然違う!
一体全体 “RYUICHIの小部屋” はどこにあるのか? キツネにつままれた気持ちの私は、一度外へ出て修道院の全体像を眺めてみることにしました。すると……ややあって強烈に匂い立つ “ある可能性” 。
それは……
「クイン修道院2階建て説」っ……!!!
天井が吹き抜けなのに内部に真っ暗な部屋があるということは、おそらく2階建てとみて間違いないでしょう。なお私が過去に『MOTHER』のPVを100万回視聴したにも関わらず「RYUICHIの部屋は1階」と思い込んでいた理由は、 “RYUICHIの足元に芝生が生えているように見える” から。
しかし考えてもみれば、クインの街に雪を降らせたLUNA SEAのスタッフ達にとって、床に芝生を植えるなど造作もないこと。結局、私には修道院の階数さえ見えないままだったのです。こんな奴に新しい時代が見える日は生涯訪れないのかもしれません。
さて、そうなってくると修道院内のどこかに2階へと続く階段があるはず。そんなものがあった覚えはないのですが、もういちど注意深く探してみましょう。
あぁ…………これか…………!
先輩SLAVEさんたちのブログなどによると、少なくとも10年前まで “RYUICHIの部屋” に足を踏み入れることができたのは間違いありません。しかし老朽化の影響か、それ以外の理由かは不明ですが、現在のところクイン修道院の2階へ登る道は完全に閉ざされていました。無念……!
もちろん「2階が公開される期間が限定的」という可能性はあります。別の時期に来れば意外と普通に入れるのかもしれない。今回の調査では管理者の連絡先を突き止めるには至りませんでしたが、何らかの方法で2階が封鎖されている理由を突き止めることができれば、あるいは……? 情報をお持ちの方、おられたらコメントください。
とはいえ、ここまで来といてスンナリとは引き下がれません。道なき道を進み、せめてRYUICHIの部屋を外から拝んで帰りたいと思います。修道院周辺にも大量の放し飼い牛たち。牛糞がヤバイです。避けて通ることはできないでしょう。
修道院2階には似たようなトンガリ屋根がいくつもあって特定が難しいのですが、よ〜くPVと照らせば特徴が完全に一致する部屋は1つしかないです。ポイントは「煙突っぽい出っ張りの位置」と「窓の形状」。
画像では伝わりづらいですが、あの部屋で間違いありません。
強烈な牛糞の香りと迫り来る牛たちのプレッシャーにより、感動に浸る余裕はあまりありませんでしたが……RYUICHIさん、25年前ここに居たんだな。そして私、ここへ来たんだな。「クイン修道院を訪れた日本人」というくくりで言えば、私とRYUICHIさんって案外近い関係とも言えるよな……そんなことを考えてました。
・アイルランドいいとこ
……と、そんな感じで今回の聖地巡礼ツアー終了です。振り返ってみると「メンバーが立ってたズバリその場所」には1カ所も到達できなかったワケですが、簡単には行けないから夢があるとも言えます。
アイルランドは「寂しくて厳しくて物価が高そう」なイメージがありますよね。まぁその通りなのですが、その通りにも関わらず想像の100倍素晴らしいところでした。聖地とか抜きにしてもです。SLAVEさんはぜひ1度訪れてみてほしいし、私も必ずまた来ます。
なお、このブログは普段SLAVEさんたちに有益な情報を発信したりはほぼしません。ってことで読んでくれた皆さん、ありがとうございました。いつかライブで会ったらお話しましょう。
(※今回のアイルランド訪問は2021年9月です)