スペイン南部の小さな都市・マラガに滞在して1週間が経った。今回の旅では私の密かなライフワーク「変わった甲殻類を見つけたらとりあえず食べる」を積極的に実施してゆきたいと思う。
マラガの台所たる「アタラサナス中央市場」はマラガの中心部からほど近い。小売業の人が利用するというよりは、市民が夕飯の買い出しに来るタイプの市場である。
ここに出店している人たちが実は小売で、彼らが仕入れを行うタイプの市場も別にあるのかもしれないが……ヨーロッパの市場事情には明るくないので不明だ。ただ、ヨーロッパにおけるスーパーマーケットは日本のそれと違って生鮮食品の扱いがさみしい印象である。特に海産物に関しては、冷凍品を除けばほぼゼロといっていい。「魚は市場で買う」が当たり前なのかもしれない。
アタラサナス中央市場は、全てをじっくり見ても20分とかからぬ規模の小さな市場である。魚!肉!野菜!と、クッキリ3つのゾーンに分けられていて非常に利用しやすい。立ち飲みのバルもある。
海産物コーナーでひときわ目を引いたのが大きく真っ赤なエビである。調べたところ「カラビネーロ」という種類で間違いなさそうだ。価格は1キロ=55ユーロ!高ぇんじゃ……!
ビビりつつ売り場のおやじに「トゥリー(3)ピース」と告げれば、「3kilo?」と返され慌てる一幕アリ。スパニッシュジョークだった模様。8ユーロと言われホッとするが、1匹400円近い計算になる。メチャ高級品だ。お店で食べたらいくら取られるんだろう。
ゆでガニのように鮮やかな赤色。
フォルムがバルタン星人のようでカッコイイ。
滞在している宿には電子レンジがあるのみなので、泣く泣く高級食材をチンする。加熱して赤みが引くパターンも珍しい。
見るからに高級そうなミソだ。パスタソースにしたらおいしそう。
いやぁ、コレはマジで絶品であった。甘エビほどは甘くなく、バナメイほどは硬くなく。甘みと弾力のバランスが絶妙なんである。伊勢エビに近いといえば近いが、あそこまで大味ではない。赤エビ等の「溶けちゃうタイプのエビ」を除いたエビの中でトップレベルの甘さ。ブラックタイガーを筆頭とする「パリッとしたエビ」の中でトップレベルの柔らかさ……といったところであろうか。
まぁ、これくらいのお値段するでしょうね!という感じであった。パスタが茹でれる環境のあるときに再チャレンジしたい。
カラビネーロ、ゲットだぜ!